2014年プチ発表会
真冬の北国の森の中、駅伝馬車を乗り逃がしてしまった旅人は暗い森の中の雪道をひとり歩いて次の町を目指します。しかし日はとっぷりと暮れてしまい、寒さの余りようやく見つけた乾いた木の枝に灯した焚き火の小さな炎も強い風にたちまち吹き消されてしまいます。旅人は疲れと寒さで眠ってはいけないと知りつつも堪えがたい眠気にさそわれてついうとうととしてしまいます。
夢の中で旅人は森の小人や妖精たちが舞い踊る夢を見ます。そして凍った湖に舞い降りた美しい白鳥に猟師が鉄砲を向けたのも見ました。おもわず猟師に体当たりして白鳥を助けた旅人。そしてそのまま旅人は夢も見ない更に深い眠りに落ちてしまいます。凍え死にそうになっている旅人を雪の精霊たちが取り囲みます。そして……
目覚めた旅人の目に夜明けのさんさんと輝く朝日がまぶしく映ります。白鳥を助けたのは夢だったのか現実だったのか…… <冬の旅>